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「ストレッチだけでやせる」と信じていませんか?
残念ながら、ストレッチ自体に体脂肪を直接燃焼させる効果はほとんど期待できません。「ストレッチを頑張っても、思ったようにやせない…」と悩んでいるなら、それはストレッチの本当のダイエット効果と正しい活用法を知らないからかもしれません。
この記事では、多くのダイエットをサポートしてきたトレーナーが、
を徹底解説します。
この記事を読み終えれば、あなたはストレッチをダイエットの強力な味方につける方法が具体的にわかり、効率的に理想の体型を目指せるようになるでしょう。
もくじ

残念ながら、ストレッチ自体に直接的なダイエット(体脂肪減少)効果はほとんど期待できません。 なぜなら、ダイエットの基本原則は「消費カロリー > 摂取カロリー」だからです。
ストレッチはこの「消費カロリー」を大きく増やす運動ではありません。 例えば、体重50kgの人が30分ストレッチをしても、消費カロリーはわずか70kcal程度。 これは、おにぎり半個分にも満たない量です。 ですから、ストレッチだけでやせようとするのは非効率と言えます。
では、なぜストレッチでやせないのでしょうか?
体脂肪が減るかどうかは、摂取カロリーと消費カロリーのバランス、すなわち「カロリーバランス」で全て決まります。
体が体脂肪を分解するのは、摂取カロリーが消費カロリーを下回った時(アンダーカロリー)だけだからです。アンダーカロリーになって初めて、不足したエネルギーを補うために、蓄えられた体脂肪が使われます。
例えば、どんなに激しい運動をしても、それ以上に食べていれば(オーバーカロリー)やせません。 逆に、ストレッチしかしていなくても、食事管理でアンダーカロリーになれば体脂肪は減っていきます。
つまり、ダイエットの主役はあくまで食事管理です。カロリーバランスを整えることが最も重要だと覚えておきましょう。
では、このカロリーバランスにおいて、ストレッチの消費カロリーはどれくらい少ないのでしょうか。
ストレッチは、消費カロリーという点においてダイエット効果はごくわずかです。
なぜなら、ストレッチは運動強度(METs)が非常に低い活動だからです。運動強度(METs)とは、安静時(座っている状態)を「1」とした場合、その活動が何倍のエネルギーを消費するかを示す数値です。
ストレッチのMETsは約2.0〜2.5程度しかありません。 これは「ゆっくり歩く」(METs 2.0)のと同程度です。ランニング(METs 7.0)や水泳(METs 8.0)といった本格的な有酸素運動と比べると、その差は歴然としています。
たとえ30分間ストレッチを続けても、消費できるカロリーは微々たるものです。したがって、消費カロリーを稼ぐ目的でストレッチを行うのは、効率的とは言えません。
さらに、運動中に使われるエネルギー源にも、ストレッチでやせにくい理由があります。
ストレッチでやせにくい理由は、消費カロリーの少なさに加え、運動中に使われるエネルギー源が主に「糖質」だからです。
体は運動の強度によって、エネルギーとして使う「糖質」と「脂質(体脂肪)」の比率を変えます。 そして、ストレッチのような強度の低い運動では、糖質が優先的に使われ、体脂肪が使われる比率は低くなるのです。
もちろん、脂肪の利用がゼロになるわけではありません。 しかし、ランニングのような積極的に脂肪を燃焼させる有酸素運動と比べると、ストレッチによる脂肪燃焼効果は限定的です。
このエネルギー源の観点からも、ストレッチが直接的に体脂肪を減らす効果は低いと言えます。
「じゃあ、ストレッチはダイエットに意味がないの?」と不安になったかもしれません。 いいえ、そんなことはありません。ストレッチには、ダイエットを間接的に力強くサポートする「真の効果」があるのです。

ストレッチの本当の効果は、体脂肪を直接燃やすことではなく、「やせやすい体づくり」と「体のコンディションを整える」ことです。
体が整うと、日常生活や他の運動の質が自然と上がります。その結果、ダイエットがスムーズに進むのです。
例えば、
このように、ストレッチはダイエットを成功させるための「土台作り」として、非常に重要な役割を果たします。
具体的にどのような効果があるのか、5つのポイントに分けて解説します。
ストレッチには、凝り固まった筋肉をほぐし、全身の筋バランスを整える働きがあります。
筋肉のバランスが崩れると、骨盤が歪んだり、猫背になったりして姿勢が悪化しがちです。この姿勢の悪化こそが、「ぽっこりお腹」や「垂れ尻」といった体型崩れを引き起こす原因の一つです。
例えば、デスクワークで縮こまりがちな胸や股関節の筋肉を重点的に伸ばしてみましょう。 ガチガチだった筋肉がほぐれると、自然と背筋が伸び、美しい立ち姿を手に入れられます。
姿勢が良くなるだけで、見た目の印象は大きく変わり、スッキリとやせて見える効果も期待できます。
さらに、見た目だけでなく、体の「動き」そのものも変わってくるのです。
ストレッチを続けると、関節の可動域(動かせる範囲)が広がります。
関節の動きが良くなることで、日常生活や運動時の動作が大きくなり、効率的にカロリーを消費できるようになります。
例えば、
このように、関節の動きを良くすることは、運動効率を高め、やせやすい体を作るための重要な第一歩と言えるのです。
体の動きが良くなると、あのツラい悩みも改善するかもしれません。
運動中に関節が痛むという方は、筋トレで関節痛になるNG行動5選と改善策|トレーナー解説の記事も参考にしてください。
ストレッチは、肩こりや腰痛といった体の不調を改善するのに効果的です。 なぜなら、筋肉の緊張をほぐし、血流を促進させる働きがあるからです。
これらの不調の多くは、同じ姿勢が続くことによる筋肉の硬直や血行不良が原因です。 「痛いから動きたくない」と感じると、ダイエットも停滞しがちになります。
まずはストレッチで不調をリセットすることが大切。 体が快適になれば、より活動的になり、自然と消費カロリーも増えていくでしょう。
また、ストレッチは体だけでなく心の調子を整える効果も見逃せません。
ストレッチには、自律神経のバランスを整え、睡眠の質を向上させる効果があります。
ゆったりとしたストレッチ、特に寝る前に行うものは、リラックス状態の時に働く「副交感神経」を優位にします。
逆に、ストレスや緊張状態が続くと「交感神経」が高ぶったままになり、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりしがちです。
質の良い睡眠は、ダイエットにおいてとても重要。 なぜなら、食欲をコントロールするホルモン(レプチンやグレリン)のバランスを整える上で欠かせないからです。
ストレッチで深く眠れるようになると、ホルモンバランスが安定し、ダイエット中のドカ食いを防ぐことにも繋がります。 このように、メンタル面からダイエットを支えられる点も大きなメリットです。
さらに、アクティブに運動する人にとっても大きなメリットが期待できます。
ストレッチで筋肉や関節の柔軟性が高まることは、スポーツパフォーマンスの向上にも直結します。
なぜなら、動きがしなやかになることで、より大きな力を発揮できたり、怪我をしにくくなったりするからです。
例えば、
など、趣味のスポーツの上達も期待できるでしょう。 運動そのものが楽しくなれば継続しやすくなり、結果としてダイエットも成功に近づきます。
具体的にどのようなストレッチがダイエットサポートに有効なのでしょうか。 ここでは、消費カロリーも少し意識した「動的ストレッチ」を紹介します。

ダイエットをサポートするには、動きを伴う「動的ストレッチ」がおすすめです。 動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)とは、体をリズミカルに動かしながら筋肉を伸ばし、関節の可動域を広げていく方法です。 ブラジル体操などをイメージすると分かりやすいでしょう。
一般的な「静的ストレッチ(止まってじわじわ伸ばす)」とは異なり、心拍数を上げ、血流を促進させる効果があります。 そのため、体が温まり、活動的な状態になります。
運動前に行えばパフォーマンスが向上し、結果として消費カロリーアップにもつながります。 ここでは、特に大きな筋肉を使い、代謝アップにつながる5つの動的ストレッチを紹介します。
これらを各30秒〜1分程度、リズミカルに行うことで、体が温まり、活動的な状態になります。
ただし、ダイエット目的でストレッチを行う際には、いくつか注意すべき点があります。

ストレッチをダイエットに活かすには、5つの注意点を守ることが重要です。 やり方を間違えると、効果が出ないばかりか、怪我につながる可能性もあるからです。 以下の点に注意してください。
これらの注意点を守り、安全かつ効果的にストレッチを取り入れましょう。
最後に、ストレッチの効果を最大限に高めるための「コツ」をお伝えします。

ストレッチのダイエットサポート効果を高めるには、行う「タイミング」と「組み合わせ」が鍵です。 目的に合わせて使い分けることで、体のコンディションが整い、ダイエットが加速します。 3つのコツを紹介します。
ストレッチを生活の中に賢く配置し、食事管理と運動の土台として活用してください。
記事の内容を振り返りましょう。
ストレッチだけで痩せようとすると、おそらく挫折してしまいます。 しかし、ストレッチを正しく活用すれば、あなたの体は確実に変わります。
姿勢が美しくなり、体が軽く動くようになり、結果としてダイエットがスムーズに進むでしょう。 ストレッチを「やせるための土台作り」と位置づけ、日々の習慣に取り入れてみてください。 あなたの努力が、より早く結果につながるはずです。