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ダンベルベンチプレスで、胸より腕や肩ばかり疲れていませんか?
「重量を上げても胸が大きくならない…」その原因、間違ったフォームにあるかもしれません。
この記事では、多くの人が陥りがちな5つのNGフォームを徹底解説。正しいやり方を身につければ、胸への刺激は劇的に変わります。難しい理論は不要です。
5つのコツを意識するだけで、あなたのトレーニング効果を最大化する方法を、プロの視点からわかりやすくお伝えします。
もくじ

ダンベルベンチプレスのメインターゲットは「大胸筋」です。分厚い胸板を作るための王道トレーニングと言えるでしょう。
しかし、この種目は大胸筋だけを鍛えるものではありません。主に使われる筋肉は以下の通りです。
プレス動作(押す動き)では、これらの筋肉が連動して力を発揮します。
バーベルで行うベンチプレスと違い、ダンベルは左右が独立しているため、可動域が広く、より多くの筋繊維を刺激できるのが特徴です。
だからこそ、正しいフォームで大胸筋にしっかりと負荷を乗せることが重要になります。フォームが崩れると、本来胸に効かせたい刺激が、肩や腕に逃げてしまうのです。
では、具体的にどのようなフォームが胸の成長を妨げているのでしょうか?

そのフォーム、実は胸の成長を妨げるNGフォームかもしれません。ここでは、多くの人が無意識にやってしまっている5つの間違いと、その改善策を解説します。
ダンベルを肩の真横で上げ下げする、脇の広げすぎはNGです。このフォームは肩関節への負担が大きく、怪我のリスクを高めるだけでなく、胸への刺激も減ってしまいます。
なぜなら、腕を広げすぎた状態でのプレス動作は、胸の筋肉(大胸筋)の繊維が走る方向と合っていないからです。むしろ、肩の筋肉である三角筋前部が優位に働いてしまいます。
正しいやり方:肘の角度を、体から約45〜60度に保ちましょう。
脇を締めすぎず、開きすぎない角度です。この角度で動作を行うと、ダンベルは真上に上がるのではなく、胸の上で弧を描くような軌道になります。
下ろす時は胸の中央へ、上げる時は肩の上へ移動させるイメージを持つと、自然と正しい軌道になるでしょう。
特に重い重量を扱う際にやりがちなのが、前腕が内側に倒れてしまうフォームです。無意識に動作を楽にしようとして、このような代償動作が起こります。
しかし、前腕が倒れると、テコの原理で胸にかかる負荷が大幅に減少してしまいます。その分、腕の筋肉(上腕三頭筋)が多く使われるため、「胸より腕が疲れる」という現象が起こるのです。
正しいやり方:動作中は常に、前腕が床に対して垂直になるように意識しましょう。
肘の真上にダンベルが位置する状態です。もしフォームが崩れるなら、それはあなたにとって重量が重すぎるサイン。見栄を張らずに重量を下げ、正しいフォームを優先しましょう。
トレーニングに慣れていない方や、普段から猫背気味の方に多いのが、肩が前に出て丸まってしまうフォームです。この状態では、胸を十分に張ることができず、肩の力でダンベルを上げてしまいます。
これでは、いくら回数をこなしても胸には効かず、肩の前側ばかりが発達してしまうでしょう。たくましい胸板を作るためには、肩の関与を最小限に抑え、胸で押す意識が不可欠です。
正しいフォーム:動作を始める前に、必ず肩甲骨を寄せてベンチに押し付け、胸を高く張りましょう。
この「胸を張る」姿勢をフィニッシュまで崩さないことが重要です。ダンベルを下ろす際は「背中の筋肉で引く」ようなイメージを持つと、自然と胸が張れます。
ダンベルを上げたポジション(トップポジション)で、ダンベル同士をカチンとぶつけていませんか?実はこの動き、胸への刺激という点ではあまり意味がありません。
ダンベルの負荷は、重力によって真下にかかっています。そのため、腕が肩の真上でまっすぐ伸びた瞬間、胸の筋肉にかかる負荷(テンション)はほぼゼロになってしまうのです。
カチンと当てる時間は、胸の筋肉が休んでいる時間であり、トレーニングの効率を下げてしまいます。
正しいやり方:トップポジションでは、ダンベルを接触させず、腕が床と垂直になったらすぐに次の動作に移りましょう。
これにより、胸から負荷が抜ける瞬間がなくなり、常に筋肉にテンションをかけ続けることができます。
ダンベルベンチプレスというと、フラットベンチ(平らなベンチ)で行うのが一般的ですよね。しかし、フラットベンチだけでは、主に大胸筋の中部しか効率的に鍛えることができません。
かっこいい胸板を作るには、上部・中部・下部と、バランス良く鍛えることが大切です。特に、Tシャツを着た時に盛り上がって見える胸の上部は、フラットベンチだけでは発達しにくい部分。
正しいフォーム:トレーニングメニューに、インクラインダンベルベンチプレスを取り入れましょう。
ベンチの角度を15〜30度に設定して行うことで、大胸筋上部を効果的に狙うことができます。角度をつけすぎると肩に効いてしまうので注意してください。
フラットとインクライン、両方行うことで、立体的でバランスの取れた胸筋が作られます。
これらのNGフォームを改善するだけでも、トレーニング効果は大きく変わるはずです。では、次に重量設定の考え方を見ていきましょう。

結論から言うと、「10回を3セット、ギリギリこなせる重量」があなたにとっての最適な重量設定です。軽すぎては筋肉への刺激が足りず、重すぎてはフォームが崩れて怪我のリスクが高まります。
「何キロからすごい?」という疑問を持つ方も多いですが、重要なのは他人と比較することではありません。骨格や筋肉量には個人差があるからです。
まずは、片手で体重の4分の1の重量(例:体重60kgなら15kg)を扱えることを一つの目標にしてみるのがおすすめです。
大切なのは、正しいフォームを維持できる範囲で、少しずつ重量を更新していくこと。自分の成長に目を向けて、着実にステップアップしていきましょう。
では、そもそもダンベルベンチプレスにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

ダンベルベンチプレスには、バーベルにはない独自のメリットがあります。主なメリットは以下の3つです。
それぞれ解説します。
バーベルと違って左右が独立しているため、より深くダンベルを下ろすことができます。これにより大胸筋が強くストレッチされ、筋肥大により効果的な刺激を与えられます。
バーベルの場合、無意識に効き腕で挙げてしまいがちですが、ダンベルなら左右それぞれに同じ負荷がかかるため、筋力バランスの差を改善しやすくなります。
ベンチとダンベルさえあれば、自宅でも本格的なトレーニングが可能です。ジムに行く時間がない方でも、手軽に始められるのが魅力です。
これらのメリットを最大限に活かすためにも、注意点をしっかり押さえておく必要があります。

ダンベルベンチプレスを安全に行うためには2つの注意点があります。「手首の痛み」と「バランスの崩れ」です。
バーベルと違って左右が独立しているため、フォームの習得が難しく、高重量を扱う際に怪我をしやすい側面も。しかし、これからお伝えする2つのポイントを押さえれば、これらのデメリットは克服できます。安全に効果を最大化する方法を見ていきましょう。
ダンベルプレス中に手首が痛くなる最大の原因は、手首が甲側に反ってしまうことです。ダンベルの重さに負けて手首が不自然な角度になると、関節に過度なストレスがかかり、痛みを引き起こします。
これを防ぐための方法は、手首を常にまっすぐに固定することです。
具体的には、2つの対策が有効です。
正しい握り方と補助具の活用で、怪我のリスクを減らし、安全にトレーニングを行いましょう。
高重量のダンベルベンチプレスで最も難しいのが、実はスタートポジションに入ることかもしれません。重いダンベルを無理やり胸の上まで持っていこうとすると、肩や腰を痛める原因になります。
そこでマスターしたいのが「オンザニー(キックアップ)」というテクニックです。
このテクニックを使えば、無駄な力を使わずに、スムーズかつ安全にスタートポジションに入ることができます。手順は以下の通りです。
最初は軽いダンベルで、この一連の動作を練習しましょう。オンザニーをマスターすれば、スタート時の余計な体力消耗がなくなり、メイントレーニングの質も向上します。
いつも筋トレで関節が痛くなるという方は、筋トレで関節痛になるNG行動5選と改善策|トレーナー解説の記事もおすすめです。
今回は、ダンベルベンチプレスの効果を最大化するための、正しいやり方とNGフォームについて解説しました。この記事のポイントを最後におさらいしましょう。
【効果を最大化する5つのコツ】
【安全性を高める2つの鉄則】
これらのポイントを意識してトレーニングに励めば、あなたの胸は確実に成長し始めます。今まで感じられなかった筋肉の張りや、重量の伸びを実感できるはずです。
今日から早速、あなたのトレーニングにこの記事の内容を取り入れて、理想のたくましい胸板を手に入れてください。