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「本当に効果が期待できるサプリってどれ?」 BCAAやグルタミン、なんとなく飲んでいませんか? 最新の研究では、それらのサプリの効果が疑問視されています。
この記事では、ムダな投資を今すぐやめるために、国際スポーツ栄養学会(ISSN)など、世界の権威ある研究機関が「Aランク」と認めた、本当に効果が期待できるサプリをご紹介します。
これらを、わかりやすく解説。 もうサプリ選びで迷うのは終わりです。科学的根拠に基づく最短ルートで、確実な結果を手に入れましょう。
もくじ

サプリの信頼性は、国際スポーツ栄養学会(ISSN)とオーストラリア国立スポーツ研究所(AIS)の評価が参考になります。
なぜなら、市場には科学的根拠(エビデンス)より、体験談や宣伝が先行する商品があふれているから。これら2大組織は、膨大な研究を分析し、サプリを科学的にランク付けしています。
具体的には、以下のような明確な基準を持っています。
ですから、個人の感想ではなく、これら権威ある組織の評価を信じることが重要です。
なお、本記事はISSNの公式見解とAISのサプリ情報を参考にしています。
では、その権威たちが最高評価を与える「本当に有効なサプリ」とは何でしょうか?

数あるサプリの中で、科学的根拠が最も強い「Tier 1」に分類される4つのサプリメントを紹介します。 これらはISSNとAISの両機関が最高評価(Aランク/グループA)を与える、いわば「王道」のサプリ。 筋トレの効果を本気で高めたいなら、まずこの4つを抑えるべきです。
最も強力なエビデンスを持つサプリは、クレアチンモノハイドレートです。
筋肉内のエネルギー(ATP)の再合成を助け、高強度トレーニング時のパワーを生み出すためです。
研究では、より重い重量や多くの回数をこなせるようになり、筋力アップと筋肥大の両方に貢献することが確認されています。
筋力と筋量の両方を伸ばしたいなら、クレアチンは必須と言えるでしょう。
筋肉を作る「材料」として、プロテインやEAA(必須アミノ酸)は欠かせません。 筋トレで傷ついた筋肉が回復・成長するには、タンパク質(アミノ酸)が必要だからです。
使い分けの例としては、以下が挙げられます。
効率的な体づくりのため、十分なタンパク質摂取が重要です。
トレーニングの質を高めたいなら、カフェインが役立ちます。
中枢神経系に作用し、眠気や疲労感をブロックする効果があるためです。
「あと1回」の粘りを生み出し、結果としてトレーニング全体のボリューム(総負荷量)を高めることにつながります。
集中力を高め、限界を引き上げる「ブースター」として活用しましょう。
β-アラニンは、高強度でのバテにくさをサポートします。
筋肉が酸性化(アシドーシス)するのを防ぐ「カルノシン」という物質を体内で作るからです。
60秒から240秒続くような、筋肥大目的のセット(10回×3セットなど)で特にパフォーマンス向上に貢献します。
追い込みの質を高めたいトレーニーにとって、強力な味方となるでしょう。
まずはこの4つを固めるのが基本です。 しかし、中には「特定の条件で」効果を発揮するサプリもあります。

Tier 2は「特定の状況や条件が揃えば効果が期待できる」サプリです。 誰にでも推奨されるわけではありませんが、自分の目的に合えば選択肢になります。
ビートルートジュースなどに含まれる食事性硝酸塩は、筋持久力の向上が期待できます。
体内で一酸化窒素(NO)に変換され、血管を拡張させるためです。
筋肉への血流が改善し、高ボリュームのトレーニングやスーパーセットを行う場合に役立つ可能性があります。
持久的な要素を求める人には、選択肢の一つとなるかも。
HMBは、筋肉の分解を抑える(抗カタボリック)作用が注目されています。
ただし、その評価は研究機関によって真っ二つ(ISSN:Aランク、AIS:Cランク)。
最新の見解では、効果はトレーニング未経験者の初期段階や、高齢者に限定される可能性が高いです。
すでにトレーニングを積んでいる熟練者には、あまり効果が期待できないでしょう。
Tier 2は人を選びます。 では、逆に多くの人が飲んでいるのに「効果なし」と判断されているサプリとは何でしょうか?

Tier 3は「効果を裏付ける強力な科学的根拠が不足している」サプリです。 かつて人気でしたが、研究が進むにつれ評価が下がりました。これらへの投資は非効率となる可能性が高いです。
かつて人気だったBCAAですが、プロテインを飲んでいれば基本的に不要です。
筋肉に必要な9種類の必須アミノ酸(EAA)のうち、3種類しか供給しないからです。
十分なプロテインやEAA(9種類すべて)を摂取していれば、BCAAの役割はすでにカバーできています。
あえて追加で摂る必要性は低く、経済的にも非効率と言えるでしょう。
アルギニンやグルタミンも、筋力や筋量アップに対する明確なエビデンスがありません。
健康なトレーニーがこれらを経口摂取しても、パフォーマンス向上に確実につながるという証拠が不足しています。
例えばアルギニンは、NOレベルを上げる効果がTier 2の食事性硝酸塩より低いとされています。
これらに投資するより、Tier 1のサプリに集中する方が賢明です。
サプリの優先順位が分かりましたね。 では、最も重要なTier 1サプリは、いつ飲めば効果を最大化できるのでしょうか?

サプリメントは、種類によって最適な摂取タイミングが異なります。
クレアチンとβ-アラニンの摂取タイミングは、あまり重要ではありません。 これらは体内に蓄積されることで効果を発揮するからです。
トレーニング直後や食後といったタイミングを気にするよりも、毎日忘れずに飲み続けることが最も重要です。
重要なのは「いつか」ではなく「継続」。コンスタントに適量を摂取し続けましょう。
プロテインは、「1日の総摂取量」が最も大切です。 筋肥大には、体重1kgあたり1.4~2.2gのタンパク質が必要とされています。
以前は「トレ後30分以内」のゴールデンタイムが重視されていました。 しかし現在は、それよりも1日を通して以下のように均等に分ける方が効果的と考えられています。
1回の摂取にこだわらず、1日トータルで必要量を確保しましょう。
カフェインは、トレーニングの約60分前に摂取するのがベストです。
摂取してから血中濃度がピークに達するまでに、それくらいの時間がかかるためです。
体重1kgあたり3~6mgを目安に摂取すると、トレーニング中の集中力やパフォーマンス向上効果を最大化できます。
効果のピークをトレーニングに合わせるため、60分前の摂取を意識しましょう。

サプリの効果を最大化し、リスクを避けるために、以下の3つの原則を守ることが重要です。
筋トレの効果を最大化する上で、サプリメントよりも優先すべき大原則があります。 それが「フードファースト(食事が第一)」です。
なぜなら、サプリメントは日本語で「栄養補助食品」と呼ばれる通り、あくまで「補助」にすぎないからです。
筋トレの効果は、以下の2つの土台によって決まります。
この土台がしっかりして初めて、サプリメントは補助として機能します。
もし食事やトレーニングをおろそかにして、高価なサプリに頼ったとしても、望むような結果は決して得られません。
科学的に最も効率的な戦略は、まず食事とトレーニングの質を高めることです。 その上で、どうしても足りない部分を「Tier 1」のサプリで賢く補う。
この順番を絶対に間違えないでください。
「多く飲めば、もっと効く」 もしそう考えているなら、それは大きな間違いです。
製品に記載されている推奨量は、科学的根拠に基づき「効果」と「安全性」が両立する最適ラインで決められています。
推奨量を超えて過剰摂取しても、効果は頭打ちになります。 そればかりか、健康被害を引き起こす重大なリスクさえあるのです。
例えば、トレーニング前に人気のカフェインも、摂りすぎれば吐き気、動悸、めまいなどを引き起こします。
コストが無駄になるだけでなく、体を壊しては元も子もありません。 必ず製品パッケージの記載や、専門家の推奨量を守ってください。
サプリメントが体質に合うかどうかは、人によって大きく異なります。
もし摂取した後に、腹痛、吐き気、アレルギー反応といった体調不良を感じた場合は、我慢せずにすぐに使用を中止してください。
例えば、ホエイプロテインを飲んでお腹がゴロゴロする場合は、乳糖不耐症(乳糖をうまく消化できない体質)の可能性があります。 その場合、無理に続けるのは危険です。
まずは使用を中止し、原因が乳糖であれば「WPI(ホエイプロテイン アイソレート)」や「ソイプロテイン」など、別の種類のサプリメントを試すことを検討しましょう。
今回は、世界の最新研究に基づいたサプリメント戦略を紹介しました。 やみくもに流行りのサプリを試すのは、もう終わりにしましょう。
この記事の重要なポイントをまとめます。
最新の科学的根拠(エビデンス)に基づいた知識を身につければ、あなたはもう迷うことはありません。
ムダなサプリへの出費をなくし、効率的にトレーニングの成果を最大化できます。
情報に振り回されるのをやめ、科学が証明した「本当に効く」ものだけを取り入れましょう。
あなたの努力が、最短距離で結果につながるはずです。