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ジムのスミスマシンを前に「どう使えばいいんだろう…」と悩んでいませんか?
ベンチプレスを始めたいけど、フリーウェイトは難しそうで怖いですよね。その悩み、この記事が全て解決します!
フリーウェイトとの決定的な違いから、メリット・デメリット、具体的な重量設定、そして正しいやり方の7ステップまでを完全解説。
読み終える頃には、安全かつ効果的に大胸筋を鍛える方法が身につき、自信を持ってバーベルを握れるようになりますよ。
もくじ
「スミスマシンと普通のベンチプレスって何が違うの?」と感じている方も多いでしょう。 両者の違いを理解することが、効果的なトレーニングへの第一歩です。 ここでは、決定的な3つの違いを解説します。
最大の違いは、バーベルの軌道です。 フリーウェイトのベンチプレスは、バーベルが自由に動くため、バランスを取りながら動作を行う必要があります。
一方、スミスマシンはバーがレールに固定されており、上下にしか動きません。この軌道の固定が、他の違いを生む大きな要因です。
軌道が固定されているスミスマシンは、バランスを取る必要がありません。 そのため、主に大胸筋や上腕三頭筋といった、メインターゲットの筋肉に集中して負荷をかけやすいのが特徴。
対してフリーウェイトは、バーを安定させるために、体幹や肩回りのインナーマッスル(安定筋)も動員されます。
スミスマシンには、バーを任意の位置で固定できるセーフティーストッパーが付いています。万が一バーを挙げられなくなっても、ストッパーが受け止めてくれるため、比較的安全です。 この安全性から、初心者でも高重量に挑戦しやすいというメリットがあります。
このように、それぞれに異なる特徴がありますが、次にスミスマシンで鍛えられる筋肉を具体的に見ていきましょう。
スミスマシンベンチプレスは、たくましい胸板を作るための王道トレーニングです。 この種目で主に鍛えられるのは「大胸筋」。大胸筋は胸の大部分を占める大きな筋肉で、上部、中部、下部に分かれています。
スミスマシンベンチプレスでは、特に大胸筋の中部と下部に強い刺激を与えます。 また、補助的に肩の筋肉である「三角筋前部」や、腕の裏側の「上腕三頭筋」も同時に鍛えられるため、上半身の厚みと力強さを効率的に向上させることが可能です。
では、なぜスミスマシンが初心者にとって特におすすめなのでしょうか。そのメリットを深掘りしていきます。
スミスマシンには、フリーウェイトにはない独自のメリットがあります。 特にトレーニング初心者や、一人で黙々と鍛えたい方にとっては、非常に心強い味方となるでしょう。
最大のメリットは、軌道が固定されていることによるフォームの安定性です。 バーのブレを気にする必要がないため、正しいフォームを習得しやすく、狙った筋肉(大胸筋)に意識を集中させることができます。 「効かせたい部位にしっかり効いている」という感覚を掴みやすいのは、初心者にとって大きな利点でしょう。
スミスマシンにはセーフティバーが備わっています。 「あと1回!」という限界まで追い込みたい時も、万が一の際にはセーフティバーが助けてくれるため、潰れる心配がありません。 補助者がいなくても安全に高重量トレーニングに挑戦できるため、自分のペースで着実に成長できます。
バランスを取るための余計な力を使わない分、フリーウェイトよりも重い重量を扱いやすい傾向にあります。 より重い重量で筋肉に強い刺激を与えられるため、筋力の向上や筋肥大を効率的に目指すことが可能です。 停滞期を打破したい中級者以上の方にとっても有効な選択肢と言えるでしょう。
もちろん、良いことばかりではありません。次に解説するデメリットも理解しておくことが重要です。
多くのメリットがあるスミスマシンですが、デメリットも存在します。 特性を理解し、自分の目的に合わせて活用することが大切です。
メリットである軌道の固定は、裏を返せばデメリットにもなります。 バーを安定させるためのインナーマッスルや体幹がほとんど使われないため、フリーウェイトに比べて、全身の連動性やバランス能力は向上しにくいです。 競技パフォーマンス向上を目指すアスリートなどは、フリーウェイトも取り入れると良いでしょう。
軌道が固定されているため、人によっては不自然なフォームになり、肩や肘、手首などの関節に負担がかかる場合があります。 自分の骨格に合わない動きを繰り返すと、怪我のリスクを高めることにもなりかねません。 少しでも違和感があれば、フォームやベンチの位置を見直すことが重要です。
デメリットを理解した上で、次は最も気になる重量設定について解説します。
トレーニングの効果を最大化するには、適切な重量設定が不可欠です。 目的に合わせた重量と回数を設定しましょう。
結論から言うと、筋肥大を目的とするなら「8~12回で限界がくる重量」が最適です。
例えば、50kgで10回挙げるのがギリギリ、という場合はその重量が適切ということになります。 15回以上楽にできてしまう場合は軽すぎ、逆に5回もできないようであれば重すぎます。
まずは軽めの重量でフォームを確認し、徐々に重さを上げていき、自分が8~12回で限界を迎える重量を見つけてください。 この重量設定を基準に、いよいよ実践的なやり方を見ていきましょう。
ここからは、スミスマシンベンチプレスの具体的なやり方を7つのステップに分けて徹底解説します。 一つ一つのポイントを押さえることで、トレーニング効果は飛躍的に向上します。
まず、ベンチをスミスマシンのバーの真下に設置します。 このとき、ベンチの向きに注意してください。スミスマシンのバーは、手首を返すことでフックが外れる構造になっています。自分がバーをラックに戻しやすい向き(多くの場合は頭側がラック)にベンチを置きましょう。
ベンチに仰向けになり、バーを下ろした時に「胸の一番高い位置(乳首の少し上あたり)」に来るように寝る位置を調整します。 位置がずれると肩を痛める原因になるため、慎重にセッティングしてください。セーフティバーは、胸の上にギリギリ当たらない高さに設定しましょう。
バーを握る手幅は、肩幅の1.5倍程度が目安です。 手幅が広すぎると肩への負担が大きくなり、狭すぎると大胸筋への刺激が弱まります。 自分にとって一番しっくりくる、力を入れやすい幅を見つけることが重要です。
バーを握ったら、肩甲骨をぐっと寄せてベンチに押し付け、胸を張ります。 腰を少し浮かせて背中にアーチを作るイメージです。この姿勢を作ることで、肩の怪我を防ぎ、大胸筋に負荷を集中させることができます。足は床にしっかりとつけて踏ん張りましょう。
猫背の方は、胸を張ったり、アーチをつくることが難しいかもしれません。猫背を改善する方法は猫背改善は筋トレ必須!たった10分の朝ルーティン決定版でご紹介していますので、参考にしてください。
ラックからバーを外し、ゆっくりとコントロールしながら下ろしていきます。 息を吸いながら、3~4秒かけて下ろすのが理想です。下ろす位置は、ステップ②で確認した胸のトップ(みぞおちの少し上あたり)です。
バーが胸につくかつかないかの位置まで下ろしたら、力強くバーを押し上げます。 この時、息を吐きながら行いましょう。大胸筋が収縮するのを感じながら、肘が伸びきる一歩手前までしっかりと挙げてください。
この動作を8~12回繰り返したら、1セット終了です。 セット間の休息(インターバル)は1分~2分程度取り、合計で3セット行うのが基本となります。 トレーニングの頻度は、筋肉の回復を考慮して週に1~2回がおすすめです。
基本のフォームをマスターしたら、次はバリエーションを加えてみましょう。
いつも同じトレーニングでは、筋肉が刺激に慣れてしまい成長が停滞することがあります。 そんな時は、バリエーションを取り入れて新たな刺激を与えましょう。スミスマシンなら、様々な角度で胸を鍛えられます。
ベンチの背もたれを30度程度の角度に設定して行うのがインクラインベンチプレスです。 この種目は、大胸筋の上部を重点的に鍛えることができます。 鎖骨の下あたりが盛り上がると、TシャツやYシャツを着た時に立体感のあるカッコいい胸板に見えます。バーは鎖骨の少し下あたりに下ろすのがポイント。
インクラインとは逆に、頭が下になるように角度をつけたベンチで行うのがデクラインベンチプレスです。 大胸筋の下部の輪郭をくっきりとさせ、メリハリのある胸を作るのに効果的。 通常のベンチプレスよりも高重量を扱いやすいのも特徴ですが、頭に血が上りやすいので注意が必要です。
手幅を肩幅と同じか、それより少し狭くして行うのがナローグリップベンチプレスです。 このバリエーションでは、大胸筋の内側と同時に、腕の裏側にある上腕三頭筋に強い刺激が入ります。 太くてたくましい腕を手に入れたい方におすすめの種目です。
最後に、スミスマシンを使う上での注意点を確認しておきましょう。
スミスマシンは安全性の高いマシンですが、効果を最大化し怪我を防ぐためには、いくつか押さえておくべき注意点があります。以下のポイントを必ず確認してください。
軌道が固定されている分、自分の骨格に合わない動きだと肩や肘の関節に負担が集中しがちです。少しでも痛みを感じたら無理をせず、フォームやベンチの位置を見直しましょう。
高重量を扱う際に手首が反り返ってしまうと、怪我のリスクが高まります。バーを握る際は、前腕と手の甲が一直線になるように意識し、しっかりと手首を立てて動作を行いましょう。リストラップなどのサポートギアを活用するのも有効です。
スミスマシンはメインターゲットの筋肉を鍛えるのに非常に効果的ですが、バランスを取るための安定筋への刺激は少なくなります。こればかりに頼ると、全身の連動性や機能性が向上しにくい可能性があります。
トレーニングに慣れてきたら、フリーウェイトのベンチプレスやダンベルフライなどもメニューに取り入れましょう。異なる角度や軌道で筋肉に多様な刺激を与えることが、成長の停滞を防ぎ、バランスの取れたたくましい胸板を作るための鍵となります。
今回は、スミスマシンを使ったベンチプレスについて、その効果や正しいやり方、注意点を徹底的に解説しました。 この記事の重要なポイントをまとめます。
スミスマシンは、決して「初心者向け」だけのマシンではありません。 その特性を正しく理解し、今回紹介したコツを実践すれば、あなたの理想とするたくましい胸板を手に入れるための、最強のパートナーとなるはずです。 ぜひ次のトレーニングから、一つでも意識して取り組んでみてください。